製造業からIT業界へ転職はできるのかな?
IT業界へ転職するための手順や知っておくべきことを教えて下さい。
こういった疑問に、お答えします。
IT業界って、リモートワークや新しい社内の風土、実力次第で独立できたり、良いところが多くて憧れますよね。
僕自身、新卒から37歳まで主に製造業で働いていましたが独学でWeb制作を学び、フリーランスのマークアップエンジニアになった経緯があります。
こういった背景から、製造業勤務の方がIT業界へ転職する時の注意点や方法を、それぞれの業界の立場からお話していきます。僕自身の体験談や知人から聞いた話も添えていくので、IT業界に興味のある製造業勤務の方は是非参考にしてください。
未経験OK!製造業からIT業界へ転職する方法
業種によって最初のステップが変わります。
- 技術職(エンジニア・デザイナーなど)→スキルを身につける
- Webマーケター・営業など→いきなり転職活動
技術職は最低限のスキルを身に付けて成果物をアピールしつつ転職活動するのが王道ですが、技術職以外は比較的未経験でも入りやすかったりします。
ただ20代など年齢が若い人なら、ポテンシャル採用で技術職でも未経験採用してくれる企業も少なくありません。
ただ、エンジニア職で「未経験歓迎」としている会社は注意してください。
「最初は経験を積むために」と、ITと全く関係のない携帯電話の販売員や工場の作業員、スキルの身につかないヘルプデスクなどに派遣する悪質な会社もあるようなので。
スキルが無いと仕事にならない職種にも関わらず、わざわざ「未経験歓迎」にしている企業は地雷率が高めなので、そういった企業は避けた方が無難です。
エンジニア職を目指す場合、未経験であっても「未経験歓迎」と書かれている求人は避けた方がいいかもしれません。
IT転職を成功させるコツは3つの妥協
- 年収
- 勤務地
- リモートワーク
製造業からのIT転職は少しハードルが高く感じるかもしれませんが、上記の3点を我慢することで転職成功率はグッと上がります。
まず年収については、未経験なので多少下がるのは我慢した方がいいです。
スキルや経験によって年収が上げやすい業界なので、生活ができる範囲であれば将来への投資と考えて多少の年収ダウンは割り切るべきかと。
また地方住みの場合、可能であれば東京に引っ越しすることで応募できる企業も増えて合格率をアップさせることができます。
上記の通り、リクナビNEXTでIT企業の求人数を東京・大阪で比べると、東京の方が5倍以上の求人数があります。
最後にIT業界といえばリモートワークが魅力ですが、最初から「リモートワークがしたい!」を全面に押し出すのは避けるべきです。
企業側からすると、ただでさえ未経験で不安材料があるのにリモートワークだと教育コストがかかるので採用しにくいですし、「仕事を覚える気が無いのかな?」と勘違いされるかもしれません。
年収・勤務地・リモートワークはスキルや経験を積めば叶えられるので、最初だけ妥協してIT転職の成功率アップを意識してみてください。
製造業からIT業界へ転職する前の注意点
まずはIT業界のことを知っておきましょう。転職全般にいえることですが、転職先の基礎知識を入れておくことで転職理由などを考えやすくなりますし、勤務条件のミスマッチ防止にもなります。
IT業界の職種について
製造業と同じように、IT業界の職種も幅広く、パッと思いつくだけでも下記のような職種があります。
- フロントエンドエンジニア:システムの見える側を作る
- バックエンドエンジニア:システムの裏側を作る
- マークアップエンジニア:Webサイトの見た目を作る
- Webデザイナー:Webサイトのデザインを作る
- Webディレクター:Web制作において社内の技術者をまとめてプロジェクトを進める
- Webマーケター:売上アップのためにWeb上でマーケティング全般を行う
- Webライター:Webサイトの記事を執筆する
- IT営業:システムやサービス、技術者派遣などをお客さんに販売・提案する
1〜5はスキルが無いと仕事にならない技術職なので、未経験でもある程度のスキルが無いと転職は難しいです。
逆に6〜8は、未経験でも転職しやすい職種です。
転職後のミスマッチを防ぐためにも、「どの職種を選ぶのか?」は重要なポイント。
選び方のコツとしては、品質管理や生産技術のような分析が好きならWebマーケティングが良いだろうし、現場作業などコツコツ系が好きならWebライターやエンジニア職が良いかもしれません。
IT業界は資格より実績が大切
IT業界は、未経験者でも資格は不要です。
業界的に、「何をやってきたのか」「何が出来るのか」を重視されるので。
実際に僕はIT業界に来てから面接などで資格に対して聞かれたことは1度もありません。
求人サイトを見ても分かりますが、資格必須の企業なんてほぼゼロで、スキルや経験、実務経験年数を条件にしているところばかりです。
たとえばプログラミングで転職するのであれば、自分で実際にWebアプリやWebサイトを作ってそれを面接などでアピールしてください。
面接官もあなたの実力が把握しやすいですし、「未経験だけど分からないことは自分で勉強してくれそうだな」と安心材料になります。
このようにIT業界への転職では、資格よりも実績が大切です。
必要スキルは業種によって変わる
プログラマーであれば、どんなプログラミング言語を扱えるのかがスキルなりますし、Webマーケティングなら、自分で実際にサイト運営してアクセスが集められるとスキルの証明になります。
どんなスキルが必要なのかは、実際の求人を見てみるとイメージしやすいです。
上記はリクルートエージェントの求人検索結果ですが、必要な能力・経験にHTML5やCSS3、JavascriptやjQueryといったマークアップ言語やプログラミング言語が書いてあります。つまり、これらが必要スキルになるということ。
仕事内容を見るとWebサイトの構築・運営支援となっているので、これらの言語を使って自分でWebサイトを作っておけば、実務未経験でも制作実績になります。
常に勉強は必要
製造業では日々学びという感覚はあまりないかもしれませんが、技術の移り変わりが激しいIT業界では常に学びが大切です。
たとえば、Webマーケティングの業界では数年前の手法が全く使えないということも少なくないので、常に新しい技術を学びつつ業務をこなさないといけません。
逆に言うと、最先端の技術に触れる機会の多い業界なのでやりがいがあると言えますし、頑張り次第で未経験者でも経験者に追いつきやすいとも言えます。
毎日業務をこなすだけでも自然にスキルアップしていきますが、プラスアルファで自己学習すると独立もしやすく年収も上げやすいです。
製造業からIT業界へ転職する前によくある疑問
転職前によくある質問はこちら。
- IT未経験での転職難易度は?
- 未経験でもついていける?
- 製造業での経験の活かし方は?
IT未経験での転職難易度は?
意外と未経験可のIT企業は多いです。
上記はリクルートエージェントの求人検索結果ですが、未経験OKなIT企業は6,700件近くあります。
年間休日120日以上やフレックス制度を導入している会社も多いので、条件としても悪くないところばかりですね。
ただ繰り返しになりますが、技術職で「未経験歓迎」としている企業は地雷率が高いので注意してください。
未経験でもついていける?
問題ありません。
面接時に「未経験です」と言って入社したなら、未経験なのは企業も分かって採用しているので、長い目で育成するために簡単な業務から徐々にステップアップさせてくれるはずなので。
ただ言うまでもなく、経験者より努力は必要ですね。
製造業での経験の活かし方は?
全く畑違いの製造業ですが、ものづくりをするという点では共通点もあります。
たとえば、不具合原因を発見するために使う、なぜなぜ分析です。
ある現象に対して、「なぜ?」を繰り返すことで真因を見つける分析方法ですね。
プログラミングなら、うまく表示されなかったり原因不明のエラーになったりするのはつきもの。
問題に対して原因を深堀りできるスキルは、IT業界でも活躍するスキルです。
他にもある課題をチームで解決したいとき、QC7つ道具を使えばスムーズに行くことが多いです。たとえば特性要因図を使って、みんなの意見をまとめるなどですね。
製造業と同じようにITサービスを作る時もトラブルはつきものなので、問題解決に対してのスキルは、IT業界でも活かすことが出来ます。
製造業からIT業界へ転職して分かったメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
転職回数の多さがチャラになった 経験を積めば年収が上げやすい 視野が広がり独立しやすくなる | 身体に不調が出てくる 目が疲れやすい スキル習得に時間がかかる |
メリット①:転職回数の多さがチャラになった
僕は38歳の時点で転職を5〜6回していて、年齢に対してかなり多い方です。
製造業にいた頃は面接で当然そのことを聞かれるわけですが、IT業界に来てからは一切聞かれたことはありません。
それよりも、「何をやってきて、何が出来るのか?」を念入りに聞かれます。
IT業界は転職してスキルアップや年収アップを目指していくのが割りと当たり前の業界で、これが僕には追い風になりました。
転職回数を理由に書類選考すら落とされたことも結構ありましたので。。。
同じように、製造業にいて転職回数をコンプレックスに感じている人はIT業界はかなりおすすめだと思います。
メリット②:経験を積めば年収が上げやすい
IT業界は人手不足なので、少し経験を積むだけで年収を上げやすいです。
僕はマークアップエンジニアとしてフリーランスをしていますが、経験年数2年ちょっとで年収480万ほど。
40歳時点の年収なので年齢にしては大したことないですが、直近の製造業での年収は300万円もなかったので伸び代がエグいです。
もちろん、これから経験やスキルを積んでいけばもっと年収は上がっていきます。
フロントエンジニアなら経験年数3年ほどでフリーランスになって年収800万円以上なんてよく聞く話で、結構夢のある業界だと思います。
メリット③:視野が広がり独立しやすくなる
現代社会において、IT業界というのはどんな業界にも関わってきます。
- 金融業:電子マネー・ネット銀行
- 運送業:輸送ルートをAIで自動化
- 製造業:作業用ロボット
つまり、業界を選ばずどんな分野でも掛け合わせができます。
こういった業界で働いていると、「こうすれば便利になるんじゃないかかな?」とアイディアが結構でてきます。
特にエンジニア職なら仕事に困ることはほとんど無いですし、フリーランスエージェントを使えば簡単にフリーランスになれます。
「将来独立がしたい」と漠然と考えている場合、IT業界に行くのが最短ルートでしょう。
デメリット①:身体に不調が出てくる
僕は元々腰痛持ちだったので、デスクワークが多くなることで腰痛が再発して悪化しました。
鍼治療や整体、自宅でマッサージなどすることでマシにはなったものの、またいつ再発するか分かりません。
リモートワークも労働環境は快適なんですが、元々太りにくい体質だったものの2ヶ月もすると運動不足で徐々に体重が増えていきました。
ちなみにその時は、毎日散歩を20分程度したりして改善してました。
デスクワークやリモートワークになることで体質に不調が出やすいので、自己管理が必要になってきます。
デメリット②:目が疲れやすい
1日中パソコンを触るようになったので、目が疲れやすくなりました。
僕はPCの光に弱いらしく、PCディスプレイの初期設定のままで作業をすると目の奥に猛烈に痛みを感じたり頭痛を感じることもありました。
同じように目が疲れやすい人は、ディスプレイの明るさを暗くしたりブルーライトカットするなど気を付けて下さい。
デメリット③:スキル習得に時間がかかる
エンジニア職に付く場合、どんなに短くても3ヶ月〜6ヶ月くらいは期間がかかります。
僕は当時会社を辞めており、毎日10時間くらいの勉強を3ヶ月しましたので、働きながらの学習だともっと期間が伸びます。
もし今すぐ転職したいと思うなら、IT営業やWebライターといったエンジニア以外の職種がおすすめです。
製造業からのIT業界への転職は不可能ではない
この記事のまとめです。
- IT業界は製造業と同じくたくさんの職種がある
- エンジニア職で「未経験歓迎」は地雷率高め
- エンジニア職以外なら今すぐ転職活動してもOK
僕の観測範囲だと、製造業からIT業界を目指す人は少なくありません。
僕もそうでしたが、「手に職を付けたい」と思ったものの、なかなかスキルアップしてる実感が得られない人が多いのかもしれませんね。
僕はITエンジニアですが、プログラミングはどの企業でも汎用的に通用するスキルなので、忙しい時でもやりがいを感じています。
もしITエンジニアに興味を持ったなら、下記の記事が参考になります。
新しい環境に飛び込むのは勇気がいりますが、IT業界は想像通り魅力的な業界です。
是非ともチャレンジしてみて下さい。