製造業って、どんな仕事内容なのか知りたい。
あと、働くうえでどんな魅力があるのかも教えて下さい。
こういった疑問に、お答えします。
僕は製造業歴12年ほどで、職種も現場作業員から品質保証・品質管理といった監督職まで幅広く経験しました。
そんな背景から、製造業ってどんな仕事なのか。働いてみて感じた魅力についてお話していきます。
製造業の仕事内容とは?他業界と比較しつつ解説
製造業の立ち位置
製造業の一番の特徴は、上記のように生産に特化した職業であることです。
そのために、安全作業で高品質な製品を効率よく作って納期遅れなく出荷するために、各部署が分担して業務を行います。
顧客は、一般消費者よりも次工程の工場や商社などの企業になることがほとんどで、お盆や正月などの長期休暇は客先企業のカレンダーに合わせることが多いので比較的多くなる傾向。
客先クレームであっても、あくまで企業間のやりとりになるので、いわゆるクレーマーのような態度は取られにくいですね。
一方で、一般的な企業は、商品をいかにお客さんへ多く売ることが仕事であり、マーケティング要素が強め。
このように、業務の目的や客先が違うという特徴があります。
職種はかなりの種類がある
ひとくちに製造業と言っても、業務内容や労働環境はそれぞれ全く違ってきます。
職種の例
- 現場作業員:製造現場で製品を作る
- 生産管理:材料や完成品の管理や製造工程を組む
- 生産技術:製品を効率よく作るための改善業務
- 品質管理:品質を保つために製造工程を管理する
- 品質保証:客先・外注先との品質関係の窓口担当
- 企画・設計:新製品の企画や設計を担当
製品の種類
食品・金属製品・プラスチック製品・ガラス製品・電子機器・電線
上記のように、各工程ごとに職種も違うし、作る製品もこれ以外にまだまだたくさんあります。
同じ職種でも、作る製品が違うとやることも変わってくるというのはよくある話。衛生管理に慎重な食品と、ミクロン単位で寸法管理する金属部品とでは扱いも全然違いますので。
作る製品によって現場環境が違う
たとえば、下記のようなイメージ。
- 食品・電子機器系:製造現場はクリーンルーム・製品重量は軽め・女性が多め
- 金属加工系:製造現場は冷暖房なしもある・製品重量は重め・男性多め
それぞれに一長一短があるので、自分に合うかどうかは実際に現場を見学しないと分かりにくいですね。
製造業の一日スケジュール
下記は、過去に実際に働いていた会社の一日です。
時間 | 内容 |
---|---|
7:55~8:00 | ラジオ体操 |
8:00~10:00 | 仕事 |
10:00~10:10 | 休憩 |
12:00~12:40 | 昼休憩 |
12:40~15:00 | 仕事 |
15:00~15:10 | 休憩 |
15:10~17:00 | 仕事 |
上記のように、午前と午後で決まった休憩が10分程度あって、お昼休憩は基本的には12:00。現場作業者の場合は、生産ラインを止めないように1人ずつ順番で交代することもあります。
ラジオ体操は、ごくまれにしない会社もあります。
大きめな企業だと、フレックス制度が採用されていることもあるので、出勤時間に融通がきくこともありますね。
テレワーク(リモートワーク)は導入しにくい
製造業では、実際にその場にいて作業しないとダメなので、難しいですね。
たとえ製造工程が全自動でも、設備トラブルには人間が対応しないといけないので。
もしあったとしても、総務や人事など一部の部署だけになると思います。
製造業で働くことの魅力とは
下記のとおり。
- 改善した結果が数値で見えやすい
- 自分の関わった製品が世の中に出回る
- 普段の生活でも役立つスキルが多い
それぞれみていきましょう。
改善した結果が数値で見えやすい
製造業の多くは、製品を産業機械で作るので、生産効率や品質を改善した時の効果が数値ですぐに表れやすいです。
たとえば、ある作業者が不良品を出したとき、その人を責めるのではなく製造工程(システム)に問題がないかを確認し、改善します。
すると、その作業者はもちろん、たとえ新人作業者に変わっても同じ失敗は起きなくなりますよね。
営業マンなど、人がやる仕事は感情も含んでいるので、改善したからといってすぐに必ず成果がでるものでもないです。
そういった意味では、理論的に適切な処置をすれば必ず改善されるので、やりがいは感じやすいはずです。
自分の関わった製品が世の中に出回る
今まで興味がなかった製品でも、自分が仕事で関わることで親近感が湧くことがあります。
以前、Xperiaのスマホの液晶画面を加工する会社に務めていた時、それまでスマホはなんでも良い派だったのに、「次買う時はXperiaにしよう」と思ったことがあります。
ただ、軽自動車のギヤ部品の製造会社にいた時は、イマイチそういった感情は感じませんでした。やはり、外から見て直接見えないものは実感がわかないんだと思います。
自分の作った製品が世の中に出る喜びを味わいたいなら、製品の外観部分を作っている会社に入社するのをオススメします。
普段の生活でも役立つスキルが多い
製造業では生活改善など、より身近なことに活かしやすいスキルが身につきやすいです。
たとえば下記のようなもの。
- KY(危険予知)
- 作業効率改善
- 在庫管理
KYとは、安全に製造するために作業にどのような危険が潜んでいるかを予想し、それが起きないように対策することです。
自分はもちろん、子どもが家の中で安全に遊べるように確認する時に使えますよね。
生活の作業効率については、家事を妻だけでなく自分も全てできるようにしておいたり、収納棚の2S(整理・整頓)を行って物の出し入れをスムーズにしたり。
毎日の献立を考える手間を省くための仕組みを考えたりしました。
どれも製造業では当たり前にしていることですが、私生活に応用すると使えることは結構多いです。
こういった生活に密着したスキルが身に付くのも魅力の一つです。
製造業の仕事内容と魅力まとめ
本記事を3行でまとめます。
- 製造業とは、安全作業で高品質な製品を効率よく作り納期内に納品する仕事
- 職種が細かく分かれていて、製品によって製造現場の環境も大きく違う
- 業務で得たスキルは、私生活の効率化などに応用がしやすく便利
製造業って、作業服で仕事をするので地味で敬遠されがちな職業ですが、長年やってる身としては、悪くない職業だと思ってます。
客先の多くは企業なので、給料も安定しやすいし休日も多い会社が多いですし。ここら辺について詳しく知りたい人は、『【経験談】製造業のメリットとデメリットとは【向いてる人の特徴】』の記事をどうぞ。
以上、業界未経験の方へ向けた、製造業についての解説でした。記事が参考になれば幸いです。